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石山合戦
〜織田VS本願寺〜


天正四年(1576)年、大坂石山本願寺付近。
このころ、石山本願寺を中心とした反信長連合が組まれ、
信長はかなり苦しい状態であった。


光秀「…もうかれこれ六年間続いている我が織田軍と石山本願寺…もとい一向宗徒
  との戦い…。力はほぼ互角、どちらも退こうとはしない…。しかし!我等の手で
  今度こそこの戦、終わらせましょうぞ!なぁ、荒木村重殿!」


  しーん。


光秀「あ、あれ?村重殿…?」

村重「…すっげー!何この仏像!
マジかっちょいー!

光秀「む、村重殿!?」

村重「あ、ミッチー殿!この仏像凄くないですか?マジかっちょいー!」

光秀「え、いや、普通だと思うけど…どの辺がかっちょいーの?」

村重「特にここ!って所は無いけど、全体的にワビサビ感じません?」

光秀「あぁ、村重殿は茶の道がお好きですからな。さすが、芸術に対して造詣が…」

村重「
あー、もう俺、寝返っちゃおうかなぁ

光秀「なッ!?何言ってるんですか、村重殿!?」

村重「だって石山本願寺にはこんな素敵な仏像が…」

光秀「織田家にも無い事は無いよ!前田玄以殿あたりに頼めば多分くれるよ!
  村重殿、お気を確かに!」

村重「…あ、ゴメン!実は最近俺、ちょっとした事で謀反したくなるんですよねー」

光秀「いや、笑顔で言ってるけど、かなりヤバいよソレ!!」

村重「小姓にセクハラ中の信長様に相談したら『
デザートにドリアンでも食べれば
  そんな気も治まるんじゃね?
』って言われました」

光秀「タイミング悪いよ!多分いつも以上に話聞いてなかったと思うよ、その信長様!
  っていうかドリアンにそんな効力が!?

村重「でも……
あ、何この城!?すっげー!マジでけー!かっちょいー!」

光秀「む、村重殿!?」

村重「ミッチー殿!見てくだされ、この城!デカいし、キレイだし…
  何か良く分かんないけど、とにかくかっちょいー!」

光秀「村重殿、落ち着いて下され!我等が織田軍の城も負けないくらいデカくて
  キレイなのあるから!丹羽長秀殿あたりに言えば、喜んで新たに建ててくれる
  可能性すらあるよ!」

村重「……あぁ、ゴメンゴメン!またうっかり心奪われて…」

光秀「村重殿、隣の芝生は青く見えると言うでしょう?事実をしっかり見つめないと…」

織田軍兵士「伝令ッ!石山本願寺から雑賀衆を名乗る男達が現れました!
   鉄砲を持っております!」

村重「て、鉄砲!?」

光秀「何!?分かった!ただちにそちらへ向かう!村重殿!行きますぞ!」

村重「鉄砲……マジかっこよさそう!
早く見たい!

光秀「(…この人、連れてこない方が正解だったのか…?)」


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光秀「さて、情報によると、この辺りのはずだが…」

村重「う、うわぁぁぁあ!!!」

光秀「!?いかがされたか、村重殿!?」

村重「あれが噂の雑賀衆!?すっげー!ホントに鉄砲持ってるよ!うわっ、あれ
  打っちゃうの!?マジで打っちゃうの!?…ミッチー殿!俺、あっち行きたい!

光秀「だ、駄目駄目駄目!っていうか、はしゃぎすぎ!修学旅行生じゃないんだから
  ちょっと落ち着…」

村重「
この状況で落ち着いてられるか!?

光秀「しかもそこで逆ギレ!?」

??「
…うぬら、何を味方同士で争っておるのだ?

光秀&村重「え?」

??「
そのような醜い争いは、心に平穏がない故に起こる、いわば人災だ。
  実になげかわしき事よ


光秀「ま、まぁ確かに…」

??「
つまり…うぬらは即刻一向宗徒になるべきである

光秀「
いきなり飛躍したー!?Σ( ̄□ ̄;)

??「
飛躍などしていない。我はうぬらに救いの道を示しているだけだ。その為には
  まず、我に
入会金を三万貫ほど払うとよかろう

光秀「
高ーッ!っていうか誰かと思ったら、本願寺顕如、敵軍総大将だよ!マントが
  風になびいてる!」

顕如「
さらに最短で救われたいと願う場合は、入会金に一万貫上乗せすれば良い

光秀「しかも自動車学校みたいなシステム導入してるよ!この坊さん煩悩丸だし!
  しかし、こんなアコギな商売に騙される我等では無い!なぁ、村重ど…」

村重「い、いま俺、何万貫持ってたっけ!?

光秀「
見事に騙されてるー!Σ( ̄□ ̄;)

村重「じゃあミッチー殿、お元気で!俺、ちょっと寝返っちゃいます☆」

光秀「いや、そんな爽やかに!?恥は無いのか、武人としての恥は!?」

村重「心変わり今は責めても違う誰かのもとへ!我は行く!青白き頬のままで!」

光秀「駄目だ、目の色が違う!私ひとりではどうしようも無い!一体どうすれば!」

信長「
ミッチー!しげぴー!(←村重の事)」

光秀「の、信長様!?」

信長「
新しい顔だぞー!

光秀「
誰の!?


 シッュッ!


光秀「何か投げたー!

信長「
何かじゃなくてドリアンだぞ

光秀「
ドリアンが投げられたー!


  ガポッ


光秀「
しかも村重殿の口にホールインワンしたー!村重殿!お気を確かにー!」





こうして村重は、ドリアンの効力(?)によって一時的に謀反を逃れた。
(でもその後、効力が切れて爽やかに寝返った)

この石山合戦は約十年間以上続く長期戦になり、最終的には織田軍勝利という形に
落ち着いたが、双方に多大な損害を与える事となった。
その後、石山本願寺跡地には秀吉により大阪城が建てられ、大いに発展する。

噂では、光秀は本能寺に攻め入る数時間前、側近に「
ドリアンがあれば歴史は違う
方向に動いたかもしれない
」と述べたそうだが、真相は明らかでは無い。


モドル