前田慶次(+α)ネタ
時は1601年。上杉・米沢城内。
兼続「景勝殿、今月も財政が赤字です」
景勝「…またか」
兼続「はい。昨年起こった天下分け目の関ケ原合戦において、我が上杉家は
西軍としてこれに参加しましたが、君主の判断ミスが原因で無残にも敗北、
挙句のはてに、あの狸オヤジに領地を会津120万石から米沢30万石に
減らされるという目に見えていやがらせとしか思えない仕打ちを受け、
財政的に大変厳しい状態です。…以上、現在の時代背景説明でした。
どうです景勝殿、手に取るように分かったでしょう?(得意げ)」
景勝「…あぁ。しかし随分と説明くさいな、与六…(汗)」
兼続「黙れ、このヘボ君主。
…で、赤字の原因を僕なりに調べてみたんですが、
どうもこの大赤字は、ある一人の男のせいみたいなんです」
景勝「ふーん」
兼続「僕はこれから、その人物と会って話をしてきますんで。
景勝殿は大人しくココで待っててくださいね(何故かニヤリ)」
景勝「………(とてつもなく不安)」
景勝「与六には待っていろと言われたが…やはり気になる…。
多分『この男』で間違いないと思うのだが…」
(景勝、客間の扉を少し開ける)
兼続「…ということで僕の話を聞いていただきます、前田殿」
景勝『あー、やはり慶次殿か…』(以下、心の声)
慶次「OH!わかったぁ!聞いてやるぜキョーダイ!ヒュウ!(掛け声)」
景勝『…テ、テンション高いな(-_-;)』
兼続「前田殿、あなた御飯食べ過ぎです」
景勝『いや、いきなり過ぎるだろ!?少し前置き入れろよ!』
兼続「あなたのせいで僕の上杉家は潰れそうですよ」
景勝『ちょ、ちょっと待て!『僕の上杉家』!?言いかえるなら
『直江兼続の上杉家』!?一体いつから君主になったんだよ、与六!』
慶次「いっやぁ、わりぃなぁ!反省してるぜメンゴ、メンゴォッ」
景勝『全く悪気なさそう!Σ( ̄□ ̄)』
兼続「…ところで、あなたは一食でどの程度の量を食べてるんですか?」
景勝『お前、調べてきてないくせに自信持って『御飯食べ過ぎ』とか言うなよ!
間違ってたら失礼だろ!?しかも、謝るのはどぉーせ俺なんだぞ!』
慶次「Ummmm…そうだなぁ、あんま覚えてないけど…
とりあえず、今朝はどんぶりに白御飯を3杯食べたぜ!うまかったぁ!」
景勝『あれ、意外と少な…?』
慶次「そのあと、フリカケかけて5杯!海苔を巻いて9杯!お茶をかけて17杯!
明太子をのせて21杯!…(中略)…!卵と醤油をかけて63杯!…ぐらい
食べたなぁ。でも全部うまかったぜ!ヒョウ!(掛け声)」
景勝『ぜ、前言撤回!この男の腹はブラックホールだ!食いすぎ!』
兼続「合計673杯のどんぶりに入った億単位の米粒達が、一瞬にしてこの世から
消えていく様子は、なかなかダイナミックかつ感動的ですね」
景勝『いや、感心するなよ!っていうか暗算やたら速いな、オイ!』
兼続「ぜひ一度、前田殿と食事の席をご一緒したいものです」
景勝『な、何言ってんだ与六!?興味持つなよ、人の食事風景なんかに!』
慶次「もちOKッ!でも俺、最近忙しいんだよねー。体だりぃぜぇ」
景勝『嘘付け!お前四六時中暇そうじゃん!毎日毎日ゴロゴロしてんじゃん!
オールウェイズ休日じゃん!引きこもるなよ、居候の身で!!』
兼続「あー、そうですよね。前田殿、昨日も丑満つ時(深夜二時頃)に
城の裏山でウサギ追ってましたもんね。あれ結構体力使うでしょ?」
景勝『夜な夜なそんな事やってんのか、この歌舞伎者は!働けー!!』
慶次「さすがキョーダイ、分かってるねぇ!明日はコブナも釣る予定だぜぇ!」
景勝『まさかコレ『ふるさと』!?『童謡ふるさと』か!?』
兼続「しかしですね、それについて家臣や農民から苦情が多々届いてるんです。
『前田が夜中叫んでて眠れない』『昼も叫んでてうるさい』『鼓膜破れた』
『昨日全裸で走ってるのを見かけた』『君主がウザい』…他多数。
ほら、皆困ってるんです。少しその様な行動は自重してくださいよ、前田殿」
景勝『いや、慶次うんぬん以前に最後の苦情!ドサクサに紛れて俺宛てかよ!?』
慶次「あっちゃー!すまねぇなぁ!猛省してるぜメンゴ、メンゴォッ」
景勝『微塵の悪気もなさそう!Σ( ̄□ ̄)』
兼続「…同様に『前田慶次御飯食べ過ぎ騒動』についての苦情も相当なものです。
『前田が兵糧を食い潰している』『育てた野菜を一本残らずひっこ抜かれた』
『大事な鶏が朝起きたら骨だけになっていた』『君主がマジウザい』…他多数。
特に今年はハイペースで米がなくなってます。…どういうつもりですか?」
景勝『おっ、なんかやっと本題に戻ったなぁ…。
…っていうかまたあるよ俺への苦情が!しつこいな、おい!
一体誰だよ、こんな文句ばっか言ってるのは!?与六か!?』
※正解です。
慶次「だって『寝る子は育つ』っていうだろぉー?あれだよあれ!オーィエース!!」
景勝『お前、それ以上大きく育つつもりか!?逆にしおれろ!』
兼続「んー…、まぁ確かに前田殿の意見も一理ありますね」
景勝『いや納得するなよ!大体質問の答えになってないじゃん!良く考えろ与六!
『食べる』と『寝る』は関係ない関係ない!!むしろ対極!』
兼続「っていうか、何か食糧難の原因は前田殿じゃないような気がしてきました」
景勝『な、何言ってんだ与六!?』
慶次「だぁろぉー?だって俺、どちらかと言うと小食だし」
景勝『嘘だ!それは間違い無く嘘だ!!』
慶次「っていうか俺、むしろ拒食症だし」
景勝「無理言うな!もりもり食べてるじゃん!一食でどんぶり673杯分も!!」
兼続「…………」
慶次「おぉー、キョーダイ(景勝)じゃねぇか!どぉーしたんだー?」
景勝「……あ…」
兼続「…景勝殿、何でココにいるんですか?」
景勝「し、しまった!つい興奮して声を出し…」
兼続「僕は先程『大人しく待ってろ』…って言いましたよねぇ、確か(笑顔)」
景勝「い、いや、別に悪気があったわけじゃ…」
慶次「覗きかキョーダイ!やらしーッ!ハレンチーッ!」
兼続「…前田殿、この凡愚を一度突き刺してあげなさい。遠慮はいりません」
景勝「いきなり死刑宣告!?」
慶次「それは楽しそうだなぁ!やぁるぅ気でるぜぇ!ヒャウ!(掛け声)」
景勝「しかも執行人ノリノリ!?」
慶次「行ッくぜー!」
景勝「く、来るなーッ!!!」
兼続「行けーッ!」
景勝「あ、あおるなーッ!!!!」
福島正則(乱入)「死ねやーッ!!!」
景勝「だ、誰だお前ーッ!?!?!?!?Σ(@□@)」
…その後も上杉家の経済は、慶次が死ぬまで火の車だったそうな。
めでたしめでたし☆
6000キリ番を踏んで下さった、仙流斎さんへ捧げます。
リクエスト自体は『前田慶次』だったのですが、超個人的な趣味で景勝だの兼続だの、結局いつもの
二人がでしゃばってしまいました(汗)景勝に至っては今までで一番ツッコミ激しいし。
慶次は初書きですが、飛びぬけたテンションの高さに、書いた本人もビックリ。大丈夫か、この設定!?
ちなみに、最後の福島正則は叫び声に反応して現れたただの通りすがりマッチョです。害はありません。
本当は北条綱成に『勝った!勝った!』島左近に『死ねー!死ねー!』と叫んで頂き、
『戦国魔の掛け声三国志・夢の共演』をやりたかったのですが…流石にこれは却下。
だ、だってほら!この二人が出てくるのは史実的に変過ぎますから!(どうも言い訳っぽい)
モドル
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